淡々として愛らしいはなし ~うちのクラスの女子がヤバい~
ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」風の表紙がずっと気になってはいたのだが、ずっと放置していた「うちのクラスの女子がヤバい」って漫画を読んだ。
タイトルからどんな漫画だかさっぱりわからなかったのだが、読み終わった後もどういうジャンルといってよいのか、説明できる言葉を持ち合わせていない。
思春期女子のみがもつ全く役に立たない超能力「無用力(思春期性女子突発型多様可塑的無用念力)」を持つ女子が集められたクラス1年1組を舞台にしたドタバタ学園コメディと言えばよいのだろうか?大きなストーリがあるわけではなく、各回で摩訶不思議な無用力を持つ女子とそれをとりまく友達、男子達が織りなす日常、恋愛、心の葛藤、成長が比較的淡々と描かれていく。一度出てきたキャラは後の回でも繰り返しいろいろな役割で出てくるので、だんだんと愛着がわいてくる。
物語だけでなく、絵も淡々としていてかわいらしいく、なんか知らないがとても魅力的。 個人的には1巻と3巻で出てきた男なのに無用力を持つ女の子になりたいリュウと鱈橋くんの物語が一番心にしみた。友人同士だったのが、少しづつ本人たちも気が付かないうちに惹かれあっている。そして・・・もっと続きを読みたかったが、3巻で終わってしまったようだ。
うちのクラスの女子がヤバい(1) (少年マガジンエッジコミックス)
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うちのクラスの女子がヤバい(2) (少年マガジンエッジコミックス)
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うちのクラスの女子がヤバい(3) (少年マガジンエッジコミックス)
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2018年(に見た)映画ベスト
今年も破壊屋ブログさんによる年間ベスト100をパラパラ見ていて、「あれ?今年はほとんど劇場で映画を見ていないなぁ」と気づいてしまった。なので、ここでいう2018年ベストは、別に昨年公開されたものというわけではなくて、2018年に自分が見た映画のベスト10を選びます。
その前に、破壊屋ブログさんによる2018年の映画ベスト100。
この中のトップ10で見たのって、「レディ・プレイヤー1」だけでした。「カメ止め」は結局見に行かなかったです。50位まで行っても、全然ないのでよほど新作を見ていないのですね。。。「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」は途中で見るのをやめてしまった気がする。
そんなわけで、2018年ベスト10は、ほとんどが(そうとう)古い作品ばかりです。それでもなるべく新しめのものにしてみたのですが。。。
- レディ・プレイヤー1
- LION
- ラーメンガール
- 四月は君の嘘
- メッセージ
- レオン完全版
- 坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async
- ミリオンダラーベイビー
- そして父になる
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Ryuichi Sakamoto:CODA コレクターズエディション with PERFORMANCE IN NEWYORK:async(初回限定生産) [Blu-ray]
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銃座のウルナ:美しくて残酷で、圧倒的な想像力に溢れた世界観
メディア芸術祭で銃座のウルナという作品に出合った。
なんという美しくて残酷で、
圧倒的な想像力に溢れた世界観。
3巻まで読んだが、全く予想のしなかった展開。
これは読むべし。
家族とは偏見とは
たまたま付けたテレビで、ドラマ「弟の夫」(全3回)を一挙に再放送していた。まさかの把瑠都主演で話題になったが、想像以上に良い出来だった。
弥一は小学生の娘・夏菜を男手一つで育てるシングルファーザー。そんな彼のもとに弥一の双子の弟・涼二の結婚相手だったカナダ人男性・マイクが訪れる。「父に双子の弟(夏菜にとっては叔父)がいたこと」「叔父が外国人男性と結婚していたこと」を知った夏菜は驚きと共に突如現れた義理の叔父であるマイクに興味津々。こうして不思議な同居生活が始まった。(Wikipediaより)
ドラマの一番の核は同性愛というマイノリティに対するマジョリティの意識と偏見をどう変えるのか?という部分だろう。マイクとの交流を通して弥一の意識も変わっていく。学校の先生に弥一が言う「もし娘がおじ(マイク)のことでいじめられることがあっても、いじめた方を叱ってください」というセリフはとても大事なメッセージだ。
もう一つの核は家族とは何か?という問題意識だと思う。弥一とマイクはちょっと前まで赤の他人だった。しかし、亡くなった弟の涼二の存在を通して家族になっていく。弥一と、別れた妻の夏樹も娘である夏菜(かな)の存在を通して家族として少しずつ関係が戻っていく。
涼二はマイクとの結婚式に自分の家族が誰もいないことをすごく悲しんでいた。そしてマイクを日本に連れてきて家族として紹介したいと願っていた。そんな二人の気持ちを弥一も少しずつ受け入れ、温泉旅行を通して4人はごく普通に家族として接することができるようになっていく。というより会話の中にあったように家族という言葉でしか彼らの関係を表現できないのだ。最後、マイクの家族が日本にやってきて弥一ら日本の家族と一緒に過ごすシーンはとても希望に満ちていた。
NHKは素晴らしい作品に仕上げたと思う。原作もぜひ読みたい。
P.S.
本当にほんの少しだけ自分たちの意識を変えればよいだけなんだ、ということを理解させてくれる動画と画像。
札幌市の同性パートナーシップの話題で昔Twitterで知ったこの動画を思い出した
— さもえど@Chocobo鯖 (@Tiltw4it) 2018年5月3日
。 pic.twitter.com/oPPrxCuLYf
同性パートナーシップ制度の導入に伴い、札幌市には800件もの反対意見が届いた。偏見に満ちた意見を目の当たりにした担当課長は「(当事者は)こんな偏見の中で暮らしているのか」と気がつき、「だからこそ制度が必要」と思いを強めたという。#ハートネットTV pic.twitter.com/Z98IlpKh0c
— レインボーフォスターケア(RFC) (@rainbowfoster) 2018年5月2日
坂道のアポロン 実写映画
大好きな作品である「坂道のアポロン」が実写映画化された。トレーラーからは原作の持つ空気感を大事にしているのが伝わってくる。
結論としては、原作の雰囲気をとても大事に映像化しているし、とても泣けるし、セッションシーンもよい。そしてなにより、りっちゃん役の小松菜奈が抜群にかわいい。
番外編を含めると単行本10刊になる原作を2時間の尺にどのように納めるのか?3人の友情と愛情にフォーカスをあて、それを形成するのに最低限の背景と、それを揺らすのに必要なエピソードのみになるように頑張って再構成されていたと思う。特に百合香さんの設定は相当変わっていたが、これは仕方がなかったと思う。
心を揺らすと書いたが、そういう意味では少し嫉妬心を強調しすぎな気がした。特にりっちゃんが百合香さんに嫉妬心をむき出しにするとか、原作にはなかった気がする。もう少しふんわりしていたほうがよかったのではないか。
薫が東京にいくときのりっちゃんとの別れ、離れている間のエピソードががっつりと抜けている。お互いの気持ちを確認するうえでとても大事な時間だったと思うのだけど、千太郎が消えてからいきなり10年が飛ぶため、りっちゃんが、気持ちは変わっていないといっても、薫にはなんのことかわからないだろうし、薫の気持ちは結局わからずじまい。でその辺は、最後若干消化不良でありました。
強く不満だったのが、なぜエンディングテーマは小田和正である必要があるのか?という点。りっちゃんの歌でエンディングロールにいったほうが全然かっこよかったのではないか?(別に本人の声でなくてもよいと思うし。)あまりに唐突で、なぜここでふにゃふにゃしたポップス(失礼。小田和正に恨みはないけど、特に好きでもない。)を持ってくるのか。ジャズで締めてほしかった。メロディも歌詞も印象に残るいい曲なんだけど、繰り返しになるが、ジャズで絞めてほしかった。
再度結論になるが、2時間に納めるための、細かい設定変更ににムリが生じている点もあるが、原作の雰囲気をとても大事にしているし、かなり泣けるし、演奏シーンもとてもかっこよく、楽しめる映画になっている。小田和正さえなければね、俺の中ではもっと評価が高かったよ。他の原作ファンはどう見ているのか?原作を知らない人はどう見ているのか?感想を聞いてみたい。
坂道のアポロン コミック 1-9巻 セット (フラワーコミックス)
- 作者: 小玉ユキ
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変身することで人生を2倍生きる
あなたは普段の自分と仕事場での自分は同じだろうか?
私はほとんど変わらない。でももしかすると仕事中は少し仮面をかぶったり、鎧を着ているかもしれない。自分の身を守るために。
花板虹子の主人公虹子は、素顔はとても美人で上品で清楚な感じのお嬢様。だが、彼女が板場に立つとき、ブサイクなメイクをし、ぶち眼鏡をし、チャキチャキな言葉遣いで男どもを蹴っ飛ばす。男たちになめられないように、と言っているが、本当にそれだけだろうか?
彼女は一人で二人の人生を生きている。変身して別の自分を生きる。相手や状況に応じてあっちに行ったりこっちに行ったり。人生が2倍楽しめているのかもしれない。
花板虹子は 料理漫画としての定石通り、料理対決を中心に話が進んでいく。虹子の過去、彼女を妨害する人たち、彼女と戦う料理人たち、それぞれに絡めたドラマが展開していく。
この主人公、虹子のとても不思議なところは、敵対していた人たちも最終的にはみんな彼女に魅せられ味方になっていくところだ。そんな敵を味方にする人としての魅力、強さと弱さ、料理にも表れる気配りが読者をひきつける。
古い作品だが、とても良作だと思うので是非一読することをお勧めする。
魅力的なスピンオフ満載祭り
最近、ACCA13区物が2冊立て続けに出た。オノ・ナツメの独特の絵柄はものすごい才能だと思っていたのですが、魅力的なキャラクターを考え付いて、そこから魅力的なエピソードを生み出す才能もずば抜けていますよね。
一冊目は、ACCA13区監察課 P.S.の第2巻。監察課課長が課長になるまでの前日譚を中心に、いろいろなサブキャラクターによるスピンオフ作品集となっている。本編を知らないと若干ついていけないかも。
二冊目は「ACCA13区監察課 外伝 ポーラとミシェル」。ACCA13区監察課 P.S.の第1巻で、「ジュモークより、パインを見続けた男」というパイン長官とその友人マホガニーの話が描かれたのだが、ここで描かれたマホガニーとパイン、そして彼らの娘であるポーラとミシェル、それぞれの友情と愛情を描いた書き下ろし作品になっている。P.S.でスピンオフを描いていたらさらに別の物語が広がったのだろうか、とてもキュートな作品に仕上がっている。こちらはACCA13区監察課の本編を知らなくても十分に楽しめると思う。とてもおススメです。
ACCA13区監察課 P.S.(2)(完) (ビッグガンガンコミックス)
- 作者: オノ・ナツメ
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ACCA13区監察課 外伝 ポーラとミシェル (ビッグガンガンコミックス)
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