坂道のアポロン 実写映画
大好きな作品である「坂道のアポロン」が実写映画化された。トレーラーからは原作の持つ空気感を大事にしているのが伝わってくる。
結論としては、原作の雰囲気をとても大事に映像化しているし、とても泣けるし、セッションシーンもよい。そしてなにより、りっちゃん役の小松菜奈が抜群にかわいい。
番外編を含めると単行本10刊になる原作を2時間の尺にどのように納めるのか?3人の友情と愛情にフォーカスをあて、それを形成するのに最低限の背景と、それを揺らすのに必要なエピソードのみになるように頑張って再構成されていたと思う。特に百合香さんの設定は相当変わっていたが、これは仕方がなかったと思う。
心を揺らすと書いたが、そういう意味では少し嫉妬心を強調しすぎな気がした。特にりっちゃんが百合香さんに嫉妬心をむき出しにするとか、原作にはなかった気がする。もう少しふんわりしていたほうがよかったのではないか。
薫が東京にいくときのりっちゃんとの別れ、離れている間のエピソードががっつりと抜けている。お互いの気持ちを確認するうえでとても大事な時間だったと思うのだけど、千太郎が消えてからいきなり10年が飛ぶため、りっちゃんが、気持ちは変わっていないといっても、薫にはなんのことかわからないだろうし、薫の気持ちは結局わからずじまい。でその辺は、最後若干消化不良でありました。
強く不満だったのが、なぜエンディングテーマは小田和正である必要があるのか?という点。りっちゃんの歌でエンディングロールにいったほうが全然かっこよかったのではないか?(別に本人の声でなくてもよいと思うし。)あまりに唐突で、なぜここでふにゃふにゃしたポップス(失礼。小田和正に恨みはないけど、特に好きでもない。)を持ってくるのか。ジャズで締めてほしかった。メロディも歌詞も印象に残るいい曲なんだけど、繰り返しになるが、ジャズで絞めてほしかった。
再度結論になるが、2時間に納めるための、細かい設定変更ににムリが生じている点もあるが、原作の雰囲気をとても大事にしているし、かなり泣けるし、演奏シーンもとてもかっこよく、楽しめる映画になっている。小田和正さえなければね、俺の中ではもっと評価が高かったよ。他の原作ファンはどう見ているのか?原作を知らない人はどう見ているのか?感想を聞いてみたい。
坂道のアポロン コミック 1-9巻 セット (フラワーコミックス)
- 作者: 小玉ユキ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/05/04
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る