新しい世界を創り出す
創世のタイガの1巻を読んだ。
現代の大学生達が、突然別の世界に飛ばされる。そこにはとうに滅びたはずの巨大生物が跋扈している。つまり、ホモサピエンスがアフリカを出てネアンデルタール人の暮らす領域に入っていき衝突する時代に現代人が飛ばされたという設定だ。
タイムリープものは若干食傷気味だったのだが、この漫画のテーマはまさしく今「サピエンス全史」とか「人類の足跡10万年全史」を読んで興味を持った世界の話であり、彼ら、というか主人公のタイガがどのように生き抜くのか、目が離せない。
漫画の冒頭、洞窟の中でタイガらは壁画を見つける。その壁画には、大型の犬(狼?)と、槍を持った人、そして彼をあがめる人々が描かれている。大型で獰猛な野生動物と同じく危険極まりないネアンデルタール人がいる世界で、犬を味方につけることは大きな意味を持ったはずだ。そして、この壁画の中心にいる人物になるのがタイガなのだ、という宣言なのではないかと勝手に考えている。
この時代は、わずかに残された人骨、動物の化石、石器、壁画などから得た情報から世界観を構築するしかない。遺伝子の調査で次々と新たな事実がわかってきてはいるが、あとは想像で補うしかない。つまり、創作物の世界では、かなり大きな自由が広がっている。
そろそろ出るであろう2巻が楽しみでならない。タイガが次の世界を創る、その過程を堪能したい。
- 作者: スティーヴンオッペンハイマー,仲村明子
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最後のジェダイは私にとっても最後のジェダイか?
言いたいことはこちらですべて言ってくれていました。
ブレードランナー 2049
ブレードランナー 2049。とてもゆったりと緊張感をはらんだ進み方をしていく。映像と音楽が緊張感を効果的に高める。3時間近い作品だが、あっという間である。もうすぐ実現しそうな近未来の技術群の映像、退廃的な街の鳥瞰がとても魅力的。そしてKとジョイの姿がとても寂しい。
前作を知らないと分からないという意見も多くみられたが、特に前半は前作の知識は全く不要だと思う。後半は若干「何?」って思う部分も出てくるかもしれないが、前作の記憶がほぼない自分でも十分楽しめた。前作へのオマージュが多く出てくるので、知っているとより楽しめるのは間違いないわけだが。
この作品は是非、大画面・大音量で楽しみたい。
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2017年映画ベスト
破壊屋ブログさんによる2017年の映画ベスト100をパラパラと見て、まあ今年は最新作をあまり見ていないないことを確認。。。あと、見てないけど見たい映画をいろいろと確認。自分でハッシュタグを作って集計されているのですね。素晴らしい。
ベスト100内で見た映画:
ベスト100内でこれから見たい映画:
ちなみに、自分が2017年に見た(公開年ではない)映画ベスト10を選ぶとすれば、以下のような感じかなぁ。
猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]
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マッド・ブル34 その1
80年代にヤンジャンで連載していたマッド・ブル34を久しぶりに読んでいる。今回は、1巻から8巻までを一気読みしなおした。
当時、連載を最初からリアルタイムに読んでいたわけではないが、バイオレンスあり、お色気あり、おちゃらけあり、人情ありで楽しみにしていた記憶がある。
話としては、ニューヨークを舞台にしたスリーピーというモンスターのような黒人警官とダイサブローという日系の小柄な相棒を軸にしたポリスアクションもの。1巻から8巻まででは、スリーピーとダイサブローのコンビが固い友情で結ばれていく過程と、ダイサブローと美人警官ペリンとの恋愛と結婚、ペリンが殉職するまでを描いている。
基本的に人の気持ちを描いているので、今見てもそんなに古びている感じはしない。
燃えよドラゴン
燃えよドラゴン。ブルースリー主演の70年代の名作。小学生の頃はみんなブルースリーの物まねをしていた。学校の図書室にはブルースリーに関する本が何冊も置いてあって、いつもみんなで読んでいた。
今回、相当久しぶりに見たけど、やはり超名作。美しく俊敏な格闘シーンが素晴らしいのはもちろんなのだが、台詞、演出、映像、音楽すべてが当時の社会にものすごいインパクトを与えた。台詞は大変シンプルかつ少ない。英語の台詞が分からなくても分かるように非常に上手に上手に作ってある。そして、あの有名なセリフ「考えるな、感じるんだ(Don’t Think. Feel!)」が出てくる映画でもある。いまだにみんな使ってるからね、あのセリフ。そして、敵を倒した後の何とも言えない悲しげな表情。この映画が後世にどれだけの影響を与えたか、本当に計り知れません。
あと、70年代前半の香港の映像はとにかく魅力的。今では見ることとのできない、あの街の雑然とした風景にどれだけあこがれたことか。実際に香港に初めて行ったときはすでに返還後でもうほとんどあの雑然とした感じは残っていなかったが、それでも「ああ、香港だ!!」と、興奮したのを思い出す。